加齢による色覚変化を感じたことはありますか?
水晶体の色は経年により黄味寄りに変色します。
それがフィルターとなって、目に見える世界の色が黄色みを帯びてきます。
波長の関係で青系の識別が厳しくなります。
心当たりのある方、いらっしゃいますか?
こちら昨年12月24日にリリースした[グラスワインの三輪ネックレス]。
アラベスクといえば背景はアイビーなのに、これはドライの薔薇の実なんぞを纏って、いかにもクリスマス~みたいな顔して写ってますでしょ?
けど実はこれ、ラッキーカラーが赤のさそり座(10/24~)用に企画したものなんです。
が、さそり座には間に合わず、次の射手座にも間に合わず、もうこうなりゃクリスマスじゃー!と開き直ってクリスマスイヴにリリースしたという
なぜに2か月も遅れたのか!?
いや、モチーフのほうはすんなり完成したんですよ。
すんなり、ってこともないか。
企画が決まって暫く経った時に進捗状況を聞いたところ、「赤メインで黒とブロンズで作ってるわ」という返事がきてギョギョギョ
それってこれと同じじゃないすか?
「好きだから重なっちゃうのよねー笑」とてぃんくるちゃん。
しかし店主であり作品プロデューサーでもあるわたしには笑い事ではないんですよ。
薔薇色という名の付いたアラベスクとクリソツ配色の新作を作ったら、名前は一体どうするんですか
もちろん異なる名前を付けるしかないんですが、それって戦略的には超危険。
双方のイメージが分散されて、どっちも印象の薄い残念子ちゃんになってしまう。
というので、”シルバー&グレーをベースカラーにして赤は差し色程度のアクセントで”と詳細を伝えた上で作り直しを依頼したんです。
そして一週間後
てぃんくるちゃんが撮ってくれた写真です。
もうあとは糸で閉じるだけの状態になってます。
大輪の赤をなんでこんなに暗くしちゃったんだろ?とチラッと思ったんですが、コードでリフレインってのもありだし、これでGoサインを出しました。
とまぁこのようにモチーフの作り直しで若干のタイムロスは出たものの、ここまでは想定の範囲内。
後はコードだけなんで、さそり座には余裕のよっちゃんだろうと踏んでたんです。
しかしこのあと、まさかあんなことになろうとは思いもよらず・・・
この時に抱いた小さな疑問を、何故にやすやすと収めてしまったのか、今でも悔やまれてなりません。
コードの色を決めよう
さて、完成まであともうワンステップ、コードの色決め会議です。
最初に出た案は王道のシルバーグレー。
モチーフの赤を効かせるには何を置いてもこれだろうってことですが、「ちょっと平凡過ぎる気がする」「大輪に使われている赤に合わせてワインカラーなんかどうだろう?」という声が上がってきたんです。
で、色の相性を確認すべく、ワインカラーのビーズを置いて写真を撮って貰ったところ・・・
「向かって右がそのワインカラーね?うーん、ちょっと違うなぁ、、ありがとう、てぃんくるちゃん。」
提案元がこう言ってるんだからここでやめときゃよかったんです。
実をいうとわたしはここでホッとしたんですよ。←声が通る立場なんで会議は常に見守るスタンス
なのにてぃんくるちゃんのスイッチがいきなりオンw
「これね、暗いピンクの周りにグレーががったコーティングがされててニュアンスのあるとても素敵なビーズなのだから意外と合うんじゃないかな」
・・・合うか?(汗)
「グレーとも相性良いわよ、きっと」
まぁグレーとは相性いいだろうけど、中輪の赤とは犬猿の仲になる気がするぞ・・・
しかし、わたしたちは実物を見ていない。
てぃんくるちゃんがスマホで撮った写真をそれぞれのモニターで見ているだけなんですよ。
う~~~ん、ここはてぃんくるちゃんの判断に任せるのが賢明か・・・
提案元も、「実物を見ているのはてぃんくるちゃんだけだから、てぃんくるちゃんがおかしいと思ったらすぐにやめてね」と判断を委ねるスタンスを取りましたが、そのあと、「中輪に使ってる赤をこの色に変えた方がいいようにも思えるから、やっぱりこの色はいい色かも。。。」と、自分の提案がマズい方向へ行く懸念を振り払うようなセリフを吐いたので、やはり不安だったんですよ。
しかしもうわたしたち、祈るしかないという。。。
最終判断はやはりあの人
そして数日後。
「みんな見て!これすごくいいわ!とっても合う!」
そうか~~~?
確かに大輪の赤とは合ってる気もするが、中輪の赤とは思った通り犬猿の仲やんけ
しかしあの自信。。。
もしかすると中輪の赤はモニターの関係で朱赤に見えてるだけで、実際は大輪の赤と同じく紅色かもしれぬ・・・
「このまま完成させるね!」
やはり実物を手元で見て話している人には抗えず、誰も意見を発せないままワインカラーのコードは1cm、また1cmとじわじわ伸びていき、とうとう完成に至ってしまいました。
ついに実物と対面
ほどなくうちに送られてきたコード&モチーフ。
袋の中には「どう?素敵でしょ?」とハートマーク付きのメッセージが忍ばせられていたのにまずドキリ
「素敵だね!と言ってくれなきゃ許さないわよ」という裏メッセージにビビりながら、ブツをそっと取り出すと、、、
ぜんっぜん合ってないんですけど
しかしそれ以上にショックだったのは、大輪と中輪の赤の色。
てぃんくるスマホ画像ではこの通り違って見えましたよね?
それで大輪の暗いレッドに合わせてワインカラー案が出たというのに
実際は
同じだったんですよ!!!
悪いのは目かスマホかはたまた、、、
いや~~もう~~まさかの結末
スマホ画像がアテにならないことをイヤっちゅうほど思い知らされました
にしてもてぃんくるちゃん、自分の撮った写真と実物を見比べて違和感を覚えなかったのだろうか!?
「違和感なかった、、」
「けどてぃんくるちゃん、コードの色、全く合ってないよ。浮きまくってるよ。そこにも違和感なかったの?」
「そう?意外に合うかもと思ったんだけど」
「コードはピンク混じり、モチーフは朱色混じり、下手にどっちも赤系なんで奇妙な浮き方をしてるよ。」
「朱色なんか混じってないわ!」
「じゃあ何色が混じってる?」
「ピンクよ」
「じゃあコードと同系ってこと?」
「そう」
だめだこりゃ
その後、色見本原色大辞典を見ながら色と言葉の擦り合わせをすること30分、ついにてぃんくるちゃんは同系ではないことに気付いてくれました。
「ひえー 色の方向が全然違うじゃない 私、目に自信がなくなっちゃったわ」
「みんなに見せる写真を実物と齟齬がないようフォトショで画像補正する。
これがベストな方法だと思うんだけど、今回てぃんくるちゃんには撮った写真が実物と全く同じに見えたんだよね?」
「そーなのよ。指摘されなきゃ違うなんて気付かなかったわ」
老眼に白内障に飛蚊症。
そんなわたしの10年先を走っているてぃんくるちゃん。
これはもう仕方ないことなのかもしれません。
「でもね、おまめちゃん、私、何度でも作り直すよ!みんなに気に入って貰えるものを作りたいの。だからちょっとでもダメだと思ったら遠慮なく言ってね!さー コードは何色にしよう?今からすぐに取り掛かるわ!」
期限というのがあるんですけどと言いたいところをぐっとこらえ、星座月に間に合わなかったときの対処(というかごまかしw)もわたしの仕事なんだなぁとあらためて自覚しましたw
今後も進んでいくためには
とまぁこのように、さそり座用のアラベスクはシルバーグレーのコードを合わせてクリスマスでなんとかデビューできたので、ひとまずめでたしめでたし。
何のために生まれたのかわからないワインカラーのコードについては、なんとすみれ色のアラベスクに誂えたようにピッタリ合い、先日無事に日の目を見ることができました。
こちらもめでたしめでたし。
さて、わたしたちです。
やはり画像しか判断材料のないオンライン業務ゆえ、画像作りに命かけるしかないんです。
しかし実物と画像の齟齬に気付けるほど脳がブレていない者は夢ビにはおそらく一人もいまいw
となると、てぃんくるちゃんが言うように「何度でも作り直すわ!」、これが正解なんだと思います。
若い人たちからするとあり得ないぶさいくな方法、それが年齢によっては生きてきたりするもんなんです。
結局ね、わたしたち世代はみんなそれぞれ”老い”というバディと共に生きてるんですよ。
そのバディに時にはうんざりし、時には認めて優しくなって、そうやって仲良くやっていくしかないんですよ。
スキルアップを目指す夢beans。 夢ババーズともいうw
できることを増やすというより、できないことを減らしていく方向のスキルアップであることは間違いありませんが、視力とか視覚とか、認めたくないけど脳とかw、そういった弱っていく一方のものについては、それを自覚した上でみんなでカバーし合う。
一人で戦おうとしない。
これがベストなんでしょうね。
あ、あともう一つ!
互いが相手の老いに疑いを持つ。
これ、最も重要かもしれないw
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