入試の面接でやらかした過去最高のネタ

子育て・教育

コロナのちょっと前までは公立高校に人気が戻った感がありましたが、結局のところ制服や修学旅行といった特別な費用以外は私立も公立も国立も学費に顕著な差はないという認識が浸透していったのか、最近また私立人気が復活したように思えます。

わたしの生徒たちも私立を第一志望とする子がまた増えて来まして、指導する側からすると、これめちゃめちゃありがたいんですよ。

入試問題のヤマを張りやすいのは言うまでもないことですが、私立は内申書と本番の数字だけでシーっと判定ってことはせず、今後の伸びしろや家族の応援体制、そして生徒の母校(中学)との今後の付き合いまでも考慮して選抜するんで、先方(高校)に受験を許されたらある程度は安心していられるんですよね。

というので、入試で1点でも多く得点するために必死になる必要はなく、入学後のスタートダッシュに向けて先取り学習する余裕すらできるんです。

そんな事情もあって不景気な世の中でも私立は人気。
おまめ中三チルドレンも今年度は8割が私立を第一志望にしていました。

私立には面接という難関(?)がある。



さて、入試本番。

筆記試験は運が多分に入って来る=自分だけの責任じゃない=気にしなくていい

という我々には理解しがたい摩訶不思議な心境になる昨今の若者、片や面接はオール自分の責任と捉える子が多いんです。

面接って元服に近いのかもしれない。
これができたら大人だぜぃ!みたいな?

まぁ生まれて初めての体験なんで心の奥底ではわくわくする部分もあるのでしょう。
また前日の筆記でしくじったりした場合、面接を逆転のチャンスと思う子もいます。

けど面接は、ぶっちゃけ言うと形だけ。
参考程度のものなんですよ。
(暴露ってしまうと面接の前に合否結果出してる学校がほとんどです)

したがって、いきなり服を脱いで踊り出すとか、立ち上がって鬼のような形相で面接官一人一人を指さして罵倒し始めるとか、そのようなことをしでかさない限りは合否に関わることはないんで、安心しとけばいいんです。

が、そんなことなど想像だにしないピュアな15歳、人生かけて元服に臨むわけです。
となると緊張は未曽有の域に到達し、頭が真っ白になっても無理はないというもの。
毎年何かしらやらかす子が出てきて、急遽対応に走るということも少なくないんです。

一体何が起こっただ!?



「先生、お忙しい中恐縮なんですが、今夜30分でもいいのでうちに寄っていただけませんか?どこの駅にでもお迎えにあがりますので。」

今年も来ました😅

何事かともうこっちは気が気ではなく、コンビニで手土産のアイスを買って待っていると、迎えに来た運ちゃんはお母さんではなくお父さん、家に着くまで世間話するしかなかったというw

さて、家に着いたら疲弊しきったお母さんが待ち構えていました。
聞けば、「面接でしくじったみたいでずっと泣いて部屋から出てこないんです。」とのこと。

態度には出しませんでしたが、なんだそんなことかとホッとしながら子供部屋のドアをノックし、「アイス買ってきたでー 溶けるからはよ開けてー」と声をかけると瞬間に開けてくれたというねw
このへんが子供の愛らしさですわ。

で、お母さんにコーヒーをお願いして部屋に入ったらば、顔をぐちゃぐちゃに泣きはらした中三男子がそこにいました。

事情を聴くと、面接で頭が真っ白になって自分の名前が一文字も出て来ず、パニック状態になりながらもとにかく名前を言わなければと思って『川上大悟』とかいう聞いたことすらない名前を口に出したということなんです。

「親戚にそういう名前の人いるん?」
「ううん」
「同級生にいるん?」
「ううん」
「マンガとかアニメには?」
「ううん」

我慢の限界に達し、部屋を飛び出し弟の部屋に逃げ込みヒィヒィ涙を流して笑い転げたわたし🤣
なんとか笑いをおさめて兄の部屋に戻るも、面接官の戸惑う顔を想像してまたもや笑が込み上げ弟の部屋に掛け込みました😂

あかん、このままじゃわたし笑い死ぬわと思って必死こいて意識をそらして顔を整え、兄の部屋に再々来してこう言ったんです。

「すごいやん!きみは面接という初めての難関で現状打破する力を得たんや!あっちの先生も間違いなくそこ高く評価したよ。これで合格が不動のものになったで!」

泣きはらした目をまんまるにしてこっちを見たあの顔www

またもや弟の部屋の絨毯に落涙しながら転がりたい衝動に駆られましたが、さすがに今やったらバレると思って死ぬ気でこらえましたよ😂

元服を終えて。



はたしてすっかり落ち着きを取り戻した中三男子。
「いつものアイスは箱入りのいっぱい入った小さいのやけど、これはコンビニので大きいからおいしいわ」とか言いながら嬉しそうにかぶりつく顔には、やり遂げた男の自信がちょろっと垣間見えました。

コンビニアイスは泣きはらした顔の冷えピタ代わり、そして気を抜けば笑が込み上げて来るわたしの冷却剤というめっちゃええ仕事をしてくれましたよw


して翌日、その川上大悟くんはpcの画面越しに合格の報告をしてくれました。
そして腫れの引いた顔でちょっと照れながら、「昨日はすみませんでした」と言ってくれました。

おそらくお母さんに言わされたのでしょうが、あの照れた様子は自分を客観視できた証拠です。

子供の成長って、春の植物並みに瞬く間ですよね。
そんなすごいものを間近で見させてもらえて、あんなまたとない爆笑大ネタをいただけて🤣

子供とは、われわれ大人にとってほんまに尊い存在。
そうしみじみ思わされた出来事でした。

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